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団員がコラムを書きます。不定期更新予定です。どうぞお楽しみに…

事例1
「今日からうちらは《チーム常夏》やで」


豊中高校に通っていたあのピチピチの時代。
吹奏楽にあけくれる日々。満ち足りていた毎日…のように思われたが私たちにはたりないものがあった。

それは「彼氏・彼女の甘い恋愛」。

もちろん中にはいる子もいたが、ほぼ大半以上はいわゆる「独り身」だった。
夏休みはコンクールがあるために気にならないが、冬が近づくにつれ、いよいよこの問題があがってくる。「クリスマスを誰と過ごすのか。それは彼氏・彼女となのか。」というものだ。大問題だ。彼氏なんていないし、一緒にすごしてくれそうな人といえば、同じクラブの吹奏楽仲間だけである。
みんなは徐々にこの話題にふれ、あるものは開き直り、あるものはその話さえしなかった。
そのときである。

「もうさ、クリスマス会しようや。独り身で。」と誰かがいった。

ありがたい、最高のいいわけだ。
「クラブでさー、クリスマス会あるから彼氏がおったとしても一緒におられへんわー」
単なる負け惜しみだが、みんなの心をひとつにする企画だった。

イブは学校でゲームをした。たしか、全員教室の端っこにたって「ばば抜き」。
相手まで距離があるから動かなければならなかった。
意味わからん。

水をコップでバケツリレー。勝ち負けなんて関係ない。
いかにはやく教室まで水を運べるかだ。
まったくもって意味わからん。

ただ笑いがたまらんかったことだけは事実。

どうして「チーム常夏」だって?
それは…
恋人ができることを「春がきた」っていいますよね?
うちらは、春に一番遠い人間だ…つまり「夏」だ。ってこと。
それと、今は冬でむっちゃ寒いから、心だけは温かく…ってこと。

しょーもないこと、心に響くネーミングセンス………priceless。

大学生になった今も「チーム常夏」は存在している。
彼氏ができると「脱退した」とみんなに報告しなければならない。
別れたら「出戻り」といわれ、「一度抜けたら帰ってくるな」と怒られる。
最高の仲間だ。




事例2
「最後の記念に手話せぇへん?」


高校最後の文化祭。吹奏楽の演奏に参加できない寂しさでいっぱいだった。
そこで、考えた! 吹奏楽部3年で中夜祭にでようと!!!
この年のブームといえば、オレンジデイズという柴崎こうのドラマであった。
耳の聞こえない少女との大学恋愛ストーリー。
これしかない。

手話なんてどこのクラブもやるわけない。
逆になんで?恥ずかしい。そんな声なんて一切なかった(と思う笑)
みんなの協力もあり、話はちゃくちゃくと進んでいった。

が!うちらの中に手話できるこ誰もおらんやん。
仕方ない。手話の辞典をいひいて調べまくった。
あってるかどうかなんてわからない。

本番当日、手話も一応覚え、うちらは完璧の舞台を作った。
笑いも、拍手も、心地よかった。

しかもなんと!先生投票1位になったのだから最高ではないか!
優勝商品のお菓子を手にニヤニヤがとまらなかった。

ひとつ心残りがあるとすれば、卒業アルバムにはほかのかわいい女の子たちがやった
セーラー服の写真ばかりで うちらの写真がなかったこと。

現実はあまくなかった。結局ビジュアルかよ。と小声でつぶやいたことは言うまでもない。

しょーもないこと、人生の厳しさ………priceless。




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